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バイデンによる遺産税・贈与税の改正案の主要部分の解説

by Pam Dennett, Miho Ikeda, Jun Tamahashi
January 28, 2021

バイデン政権は予想された通り遺産税と贈与税に関連するTax Cuts and Jobs Act(減税雇用法) (TCJA)の規定を廃止することを提案しています。これらの廃止が実現すれば、遺産・贈与税の生涯免除額がインフレ調整後の約549万ドルに戻る、あるいは遺産税免除額が一人当たり350万ドル、贈与税免除額が一人当たり100万ドルまでさらに減額される可能性があります。また税率が40%から45%に引き上げられる可能性があります。これらの変更は2021年1月1日にさかのぼって施行される可能性があります。

バイデン氏はさらに相続資産のベーシス(税務簿価)を死亡日時点の市場価値にステップアップやステップダウンさせる現行法の廃止も提案しています。つまり相続人は被相続人が死亡する前に持っていたのと同じ課税ベーシス(引継ぎベーシス)を取ることになります。これは低いベーシスの資産を相続で残すことを計画してきた家族にとっては大きな打撃となるでしょう。ベーシスのステップアップがなければこれらの資産を売却したときにキャピタルゲインが発生します。バイデンの提案では、これらキャピタルゲインは100万ドル以上の課税所得のある納税者においては39.6%の最高税率で課税される可能性があります。

バイデン政権がすぐに遺産税法を変更しなくても、現在の遺産税・贈与税の法律は一時的なものであり、2026年1月1日に期限が切れるように設定されています。その後生涯免除額はインフレ調整後の1人当たり約600万ドルに減少することになります。

誤解されやすい変更点の解説

メディアやインターネット上には多くの情報が氾濫しておりこれら実現しうる改正が何を意味するのか、手遅れになる前にどう行動すべきかを理解することは非常にわかりづらく困難になっています。多くの納税者がバイデンの提案を誤解しています。

以下、最も誤解されているトピックを紹介します。

1.「無くなる前に使うべき」というのは本当です。もしバイデンの法案が立法化した場合、現在1,170万ドルの生涯免除が利用枠がある(つまり今までに何も使っていない)納税者は今後350万ドルの枠しか使えなくなる可能性があります。納税者が理解していないのは、贈与ですでに生涯免除の一部を使用してしまっていた場合、バイデンの法案の下で今後使用可能な額が減額されることになります。たとえば、納税者がすでに400万ドルに相当する生涯の贈与で生涯免除を使ったとします。バイデンの法案が可決された場合、その納税者の生涯免除は完全になくなってしまいます。言い換えれば、今利用可能なものを使用しない場合は、それを失うことになります。

2. 法改正は2021年1月1日にさかのぼって施行される可能性があります。税法の施行がさかのぼって起こるとは意外に思われるかもしれませんが、そうなる可能性があると想定しておくべきでしょう。これまで生涯免除を利用していなかった納税者が今(2021年1月以降)500万ドルの贈与をして、その後議会が遺産税と贈与税の変更を2021年1月1日に遡及することを決定した場合、この贈与の一部は贈与税の対象となります。免除額が350万ドルに減額された場合、この贈与のうち150万ドルは45%の税率で贈与税の対象となります。

2021年に議会が納税者の遺産税プランニングにペナルティを課すことはないだろうと考える人は多いですが遡及の可能性を排除することはできません。過去に税法の遡及変更を支持する判例があります。しかし、2021年1月1日に遡及して改正が行われた場合でも、贈与税を回避しつつ2021年の土壇場の贈与を有利に進めるためのテクニックについて全国のトップの相続計画弁護士の多くが議論しています。

3.使用済みの贈与税免除が後からクローバック課税されることはありますか。多くの納税者は控除が最も高かった年(現在は1,170万ドル)に行った生涯の贈与について、後から免除額が減額されることで改めて贈与税や相続税の対象になるのではないかと疑問に思っていました。これは贈与の「クローバック(回収)」と呼ばれています。IRSは2019年11月に反クローバックルールを含む最終規則を公表したので、答えは非常に明確です。

これらの規則の下では納税者が一旦生涯免除を使用した場合、後に生涯免除が減額されたからといってそれらの贈与を再び財産にクローバックすることはできません。納税者が今日1,170万ドルを贈与し2023年に死亡した場合(その時点での生涯控除が350万ドルであると仮定した場合)死亡時には使用可能額がゼロになります。しかしそれまでに贈与された金額が課税対象の遺産に引き戻されることはありません。

4. 税法の変更に議会が合意するまでには時間がかかると思っていませんか。ジャネット・イエレン氏は1月25日に新財務長官に就任し、遺産税制度に関連するものも含めて税制改正を加速させ増税を早急に進めることを示唆しています。納税者は現行の増額された生涯免除を利用するのに2021年の年末まで待つ余裕はないかもしれません。税制改正が2021年1月1日には遡及しなかったとしても、新法が制定された日、例えば2021年6月1日などであれば、その日から有効になる可能性があります。そのため、納税者は今後数ヶ月の間にこの生涯免除額を利用することが不可欠です。

5.本当に死亡時のステップアップがなくなる可能性があるのでしょうか? はい、バイデン氏のプランでは、個人の死亡時に資産がステップアップする法律が撤廃される可能性は非常に高いと考えられます。この提案が可決された場合、特定の富裕層にとっては低ベーシスの資産をあらかじめ売却して現金を贈与するというアイデアが魅力的になるかもしれません。

親がキャピタルゲイン税を支払い子供に現金を贈与した方が、子供に低ベーシスの資産を与えるよりも良いかもしれません。親が贈与予定の資産に対して所得税を支払っても税金自体は贈与の対象にならないため、その分は実質税なしで贈与できることなります。また親による所得税の支払いの結果遺産が減額されるため、自動的に40%または可能性として45%のレートで遺産税を節約できることになります。

今すぐに検討すべき所得税・相続税対策の詳細については、直近の記事「土壇場のタックス・プランニングのアイデア」をご覧ください。ご質問やサポートが必要な場合は、弊社の専門家にご連絡ください。

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